2021/3/26に発売されたSwitch向けゲームソフト「モンスターハンターライズ」のレビュー記事です。過去作と比較しながら、本作の特徴について書いていきます。
モンスターを狩ることの楽しさに重点を置いた作品となっていました。
ワールド、アイスボーンとの比較
細かい修正が入り遊びやすくなった
シリーズ通して不便だったところに手が入り、改善されていました。一通りプレイしてみて、遊びやすくなったと感じたところを別の記事にまとめています。是非ご覧ください。
モンスターと戦いやすくなった
これは人によって感じ方が違うかもしれませんが、私個人としてはMHWと比較して立ち回りやすいと思いました。その理由について書いていきます。
モンスターのモーションが単純化された
PSP、3DS向けシリーズの頃のように、モンスターの動きがある程度単純化されたように見えました。これは悪い意味ではありません。MHWが複雑過ぎたため、これくらいが丁度よいと思いました。
MHWはPS4での発売ということもあり、リアル志向であることを強く感じました。自然豊かなマップや生きているかのようなモンスターの動きに感動したことを覚えています。これは良いことなのですが、リアルさを追求し過ぎると遊びづらさが出てきます。
一番遊びづらさを感じたのが、モンスターのモーションです。過去作と比べて、動きが滑らかになり、派生も多く動きが複雑化されていました。モーションや反撃タイミングの見極めがしづらく、立ち回りが難しくなっていました。MHWでは拘束手段が多かったため、これに頼ることでゲームバランスが保てていたと思います。(乗り、クラッチクロー、各種罠…等)
ただし、拘束を行うための準備が煩わしく、あまりやりこむ気になれませんでした。
今作では、MHWと比べてモンスターの動きが単純化されているように思えます。実際にプレイしてみて、MH4を遊んでいた頃を思い出しました。何度も同じモンスターと戦って、より効率良くダメージを与えるにはどう立ち回るかを考える楽しさがあります。また、今作も拘束手段が用意されていますが、MHWと比較して扱いやすくなっていることもプラス要素です。
新要素について
今作には新要素がいくつかありますが、過去作品にあったものを今作用にアレンジしたものとなっています。全体的にゲームテンポを落とす煩雑さをなくして、必要なもののみ残したような印象です。
操竜(乗り、クラッチクロー)
過去作品でいう「乗り」「クラッチクロー」です。
「乗り」は操虫棍が登場したMH4で実装されました。当時は他の武器との差別化もあり楽しめたのですが、MHWまで来るとジャンプ攻撃をしないといけないというのが煩わしくなってきました。乗った後もボタンを連打するだけで無駄に時間がかかるのも一つの要因です。
「クラッチクロー」はMHWIBで実装されました。モンスターを壁にぶつけることが出来ました。その場での方向転換しか出来なかったため、壁付近で戦わないとうまくぶつけられませんでした。
今作では、「操竜」として新しくなりました。
「乗り」との違いは、ジャンプ攻撃をしなくても良いことです。わざわざ段差まで移動して攻撃する、といったことをする必要がありません。
「クラッチクロー」との違いは、「操竜」中はモンスターを操作できるので場所を選ばず壁にぶつけられることです。
「操竜」を発動するには、鉄蟲糸技を当てるか、モンスターを対峙させるのどちらかです。このどちらもモンスターと戦う過程に組み込むことが出来て、ゲームテンポを落とすこともありません。
「乗り」「クラッチクロー」をする準備をするのではなく、モンスターを狩る過程で「操竜」ができるため、ゲーム本来の目的であるモンスターを狩ることを楽しくする要素の一つとなっています。
ガルク(モンスターライド)
過去作品でいう「モンスターライド」です。
いつでもどこでも「ガルク」に乗って移動することが出来ます。「ガルク」に乗って出来ることを挙げます。
- ダッシュによる高速移動
- 高低差のある地形の移動
- 移動中のアイテム使用
シームレス化により広くなったマップ、地形を利用したギミックにより増えた高低差を快適に移動することが出来ます。「翔蟲」と併用することでほとんどの高低差に対応できますので、マップが複雑化していても移動によるストレスは特に感じませんでした。
過去作で不便であったアイテムの使用も移動しながら出来ます。戦闘中であっても「ガルク」に乗れます。過去作で安全にアイテムを使用するには、モンスターから離れるか物陰に隠れる必要がありましたが、モンスターと対峙しながらでも比較的安全に使えるようになりました。
アイテムを使用するときに狩りを中断する必要がなくなり、狩りをしながらアイテムを使用できるようになっています。
翔蟲(スリンガー)
過去作品でいう「スリンガー」です。
「スリンガー」は移動やアイテムの使用を行うことが出来ましたが、特定の場所でしか利用出来ないことやアイテムをセットする煩わしさがありました。
「翔蟲」は翔蟲ゲージさえあればいつでも使用できるので、通常の立ち回りでは避けられない攻撃が避けられたりします。アイテムの使用時にセットする必要もなくなっため、直感的に操作を行えます。
被弾による吹っ飛び時に「受け身」を取れるため、過去作であった起き攻めをプレイングで防ぐことが出来るようになっています。
立ち回りの幅が広がり、モンスターを狩ることを楽しくする要素の一つとなっています。
慣れるまでは操作が難しくなることが難点です。
鉄蟲糸技(狩技)
過去作品でいう「狩技」です。
(MHX、MHXXは未プレイのため詳しくは知りません。)
今作では武器種によって、いくつかの「鉄蟲糸技」が用意されています。翔蟲ゲージを使用して、攻撃・回避技を繰り出します。攻撃後の隙をカバーしたり、強力なコンボが出せたりと立ち回りの幅が広がっています。
立ち回りの幅が広がり、モンスターを狩ることを楽しくする要素の一つとなっています。
慣れるまでは技の種類を覚えるのが大変だったり、操作が難しくなることが難点です。
百竜夜行(砦防衛クエスト)
過去作品でいう「砦防衛クエスト」です。
過去作品だとモンスターの進行パターンや防衛設備を使うタイミングが決まっていたため、作業感が強くあまり面白さを感じませんでした。
今作では出現モンスターも豊富で、プレイヤー自身で防衛設備の設置を行うので砦を守っている感が過去作品よりも出ています。特にマルチプレイの場合は、役割分担することで効果的に砦を防衛できるので、より楽しくプレイ出来ます。通常の狩りとは違った楽しみがあります。
ソロだとやることが多く、少し忙しいのが難点です。今のところソロでもクリア出来る難度なので、程よい調整かなと思っています。
総評
過去作品の悪いところを改良して、ゲーム本来の目的である狩りを快適に面白くした作品でした。
過去作品の要素をそのまま持ってくるのではなく、今作になじむように調整されていることも好印象です。
モンハンシリーズは結構プレイしていますが、一番遊びやすいと思います。MHWが合わなかった方や今作から始めてみようと考えている方にも是非オススメしたいです。ただし、過去作品と比べて操作が少し複雑になっているので、慣れるまでは大変だと思います。